2014/07/20 神奈川新聞 コラム

神奈川定食紀行 今柊二
「辛さ+深み」で おかず力爆発 マーボー豆腐

 以前から入りたかったのがイセザキのオデオンの前にある「龍鳳」。ここは体に優しい中華料理でおいしいらしい。ということで、平日の12時半くらいに訪れた。ランチが充実しているな。日替わりは鶏のから揚げ、豚肉と夏野菜の炒め、鶏冷やしソバなどで、各864円。これもステキだが、今日はマーボ上豆腐が食べたかったのでそうしようと思いつつ店のある2階への階段を上る。810円だ。
 店内は落ち着いた雰囲気。窓際の席が空いていたので座らせてもらう。注文するとアイスコーヒーか杏仁豆腐がついているということで、杏仁で注文。温かいお茶と同時に「水も飲まれますか?」と聞かれたのでいただく。優しい店だな。かくして水と温かいお茶を交互に飲んでいると、漬物(キュウリ、たくあん)と小鉢(青菜とエビの玉子包み)が出てくる。この小鉢おいしそうだなと思っていると、マーボ⊥豆腐、スープ、ご飯、そして杏仁もI緒にやってきた。
 こりやごちそうだなと思いつつ、まずはスープ。ワカメ、ネギ、ゴマのスープ。ワカメのダシのきいた、いいスープ。続けてマーボ上豆腐。小丼に入って山椒がふってある。みるからに実力がありそうだ。レングですくって食べると辛いけど深みがとてもある。豆腐だけでなく、たっぶりのひき肉、筍、シイタケも入り、いろんな歯触りがロの中で跳びはねている。ああ、ご飯来いと言っているよ。
 ご飯を食べてロの中で合わせるとスゴイおいしさ。おかず力爆発だあとバシバシ食べる。ただ私は白米至上主義者なので、ご飯にマーボーはかけず口の中で合体させて食べる。ご飯はあっという間になくなり、お代わりをもらう(お代わりできます)。待つ間に小鉢を。エビはすり身だけど、プリプリ感も残り、ハイレベルのおいしさ。感動しているとお代わりがきたので、それも平らげて満腹。
 では杏仁に。これがミルクつぽくない杏仁で、さっぱりおいしい。大満足。会計時に店の人に伺うとマーボーには豆鼓みそが入っているそうです。またこの店は笥山を持っていて、春は笥料理が名物です。


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